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大企業で働いていると、色んなパターンのついていけない瞬間が訪れます。
- 周りの同僚が優秀すぎて努力しても追いつけない
- ぶら下がり社員が多すぎてやる気が失われる
- 大企業ならではの働き方に振り回される
でもせっかく入った大企業ですから、よほど強い希望がなければ辞めるのはもったいないですよね。
私は大手化学メーカー、世間一般でいわれるホワイト企業で働きだしてから十数年経ちますが、いろんな意味でついていけなくてやめようと思ったことが何回もあります。ですが、色々対策して踏みとどまってきました。今では辞めない判断をしてよかったと思っています。
そこで本記事では、私が大企業に入ってからついていけないと感じた8つの瞬間と、その時の対策を4つ紹介します。
- 大企業に行きたいけど、どんなネガティブなことがあるのかを知りたい
- 大企業に入ったものの、ギャップに苦しんでいる
といった方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ついていけないと感じた理由
そもそもなぜ大企業についていけないと感じるようになるのか、そこには3つの根本的な理由があります。
- 個人の能力差
- 日本企業の制度
- 大企業特有の慣習
どれかひとつが原因というわけではなく、複数の要素が合わさることもあります。
それではひとりづつ深掘りしていきましょう。
周りの同僚がみんな優秀
大企業は優秀な人材が多いです。みんなホワイト企業で働きたいので、自然と優秀な人材が集まるからですね。
もちろん学生の質も非常に高く、東大京大をはじめとする旧帝国立大や有名私大出身者がゴロゴロいます。
そして、特に新卒が配属される部署は会社が伸ばしたい事業であることが多いため、これまた優秀な人たちが集まっています。
なので、入社当時は毎日食らいつこうと必死でめちゃくちゃ大変だったのを覚えています。周りと比較して自分の出来が悪いことをずっと気にして、何回も辞めようと思いましたね…
ちなみに中小企業から転職してきた人に話を聞いてみたら、大企業の方が優秀な人が多くてついていくのが大変と口を揃えて言っていました。
仕事が終わらない
業績が伸びている部署やギリギリの人数で回している部署だと1人あたりの仕事量が多くなるため、どうしても仕事が終わらなくなってきます。
ここで注意したいのが、仕事が終わらない=残業が多いではないことです。
大企業は残業規制が厳しく、仕事があふれた分だけ残業すればいいやという考えが通用しません。
仕事の効率を上げることで対応しなければならないので、自分だけ仕事が溜まっていく時はついていけない…となるわけです。
出世競争が激しい
最近は若者の管理職離れなんて声も聞ききますが、大企業では依然として出世競争が激しいです。その理由は、大企業には出世を後押しする環境が揃っているからですね。
- 上昇志向が強い人材が多くいる
- 部下が昇格すると上司が評価されるシステム
- 役職がダイレクトに効いてくる給与体系
- 役職=社内の地位という環境
周りのペースに乗せられてしまうと、自然と出世競争に巻き込まれて疲弊してしまいます。
さらに身の丈に合わない昇進をしてしまってギャップに苦しむなんてことになると目も当てられません。
異動や転勤が多い
大企業といえば異動が多いというイメージを持つ方も多いですが、おおかた風潮通りです。
異動の回数は人によってばらつきがあるものの、定年まで1回も異動したことない人もいれば、毎年のように異動している人も。
さらに、大企業の事業所は全国にあるため、転勤ありの異動が続くと文字通り全国を飛び回るはめに…
極端な例ですが、私の先輩で5年連続で転勤した人がいました。
当たりの部署に配属されて喜んでいたのもつかの間、異動によって激務の部署に配属になってしまったなんてことも。
定期的に上司が代わる
大企業につきものの異動ですが、管理職以上になると異動になる確率が上がります。上司が代われば同じ担当業務でも環境はガラッと変わります。
課長が代わると仕事のやり方が変わり、部長が代わると評価と方針が代わります。私が今の会社で働いている十数年の間に課長は6人、部長は7人変わりました。2~3年に1度異動する公務員のようなペースです。
自分と相性のいい上司に代わればいいのですが、なかなか世の中毎回上手くいくとは限りませんからね。
理不尽を生み出す年功序列制度
日本の雇用制度の代表格といえば年功序列制度ですが、頑張りが正当に評価されないという問題を抱えているのは有名な話です。
ものすごい成果を出しても、自分より仕事ができない年配の人の方が倍ぐらい給料をもらっていると知った時はもう…
そしてさらに問題なのが、出世を諦めた社員が会社にしがみつく、いわゆるぶら下がり社員の存在です。大企業特有の強力な雇用に守られているため、仕事ができなくても本人はどこ吹く風です。
ぶら下がっている社員を助けるために仕事をしているんじゃないと思ったときに、人はついていけないと感じます。
雑務が多く、ルールに振り回される
大企業といえば雑務が多いというイメージがありますが、その通りです。
何かをしようと思えば書類を作り、会議のたびにプレゼン資料を作り…おまけに資料作りは増えることはあっても減ることは基本ありません。
事業所ごとに異なるローカルルールが設定されているせいで、必要性があるのかわからない書類を作らされることもしばしば。書類の妥当性を問うても、「提出することが決まっているので作ってください」の一点張り。
大企業は業務が分化されているからこそ効率よく進む面がありますが、その弊害ですね。
また、上司独自のマイルールに振り回されるパターンもあります。
私が過去に経験したのは、電子印鑑をかたくなに使わない上司です。電子印鑑で決済可能な書類であってもです。
上司いわく、書類は紙で読まないと内容が頭に入ってこないらしく、紙での出力と押印を要求してきます。つまり書類を通すためには出社が必須となるうえに、上司がテレワークをしている時は決済が滞ります。
テレワークの効率を落とすルールなんですが、上司に決済をしてもらわないと仕事が進まないのでやるしかありません。
ちらつくリストラの影
日本企業の雇用は強力な解雇規制に守られているから、カルロス・ゴーンのようなコストカッターがこないかぎりリストラなんて自分には関係ない…なんてことはないんですよ。
一定の要件を満たせばリストラ自体は今でも可能ですし、今後は雇用の流動化を目的に解雇規制が弱まる可能性は充分にあります。
さらに、大企業ならではの事例として注意が必要なのは、子会社へ出向した後に転籍を迫られるパターンです。
基本的に転籍するかどうかは個人が選べるんですが、長年同じ仕事しか担当していなかった人だとリスキリングが大変ということもあり、なかなか転籍を断れなくなってしまうようです。仕事への愛着もありますしね。
不採算が続く事業を丸ごと子会社化して他社に売却するのは珍しいことではないため、たまたま不採算部署へ配属させられたばっかりに大企業を追われてしまった…なんてことになったら目も当てられません。これこそ職場ガチャですね。
ついていけないと感じた時のための4つの対処法
どんな形のギャップにせよ、ついていけないと感じながら追いつこうとするのは精神的につらくなります。そこで、次の3つの考え方でギャップを解消しましょう。
- ついていける環境を作る努力をする
- 無理に合わせようとしない
- 本当についていけなかった時の選択肢を考えておく
それでは、具体的な対処法を詳しく説明していきます。
会社や周りの人に相談する
つらいことを抱え込んでしまう人が多いですが、まずは上司や同僚、相談窓口など周りに相談することが第一です。
大企業のいいところはたくさんの人や仕事があることです。自分が無理なく働ける環境は必ずあります。
会社としても雇用した人が力を発揮できずに辞めるのは損失でしかないため、しっかり問題と事情を伝えればきちんと対応してくれます。
せっかく入った大企業ですから、会社自体が嫌になってしまう前に存分に会社を利用して打てる手を打ちましょう。
自分がコントロールできないことでは極力悩まない
自分より給料が高くて仕事ができない人間が許せないという気持ち、よーくわかります。
ですが、いくら自分がイライラしても他人が変わらないというのもまた事実です。そこで、思い切ってプラス思考に切り替えて、自分がコントールできないことは悩まないようにするのがオススメです。。
例えると、自分の仕事ぶりを100、他人の仕事ぶりを50だとします。他人のことを、50しか仕事ができない人ではなく、50も仕事に貢献してくれる人と考えるんです。
プラス思考で他人に接するとおおらかな気分になれて結果的に仕事がスムーズに進みますし、なによりストレスが激減します。
ちなみにマイナスの仕事をしてくる人が同僚にいれば、上司に報告して対処してもらいましょう。
- マイナスの仕事をする社員の行動例
- ・わざと他人の足を引っ張る
・仕事に茶々をいれてくる
・他人の成果を横取りしようとする
上司の動きが悪ければ、対処しないと退職を視野に入れるぐらいの意向を伝えることが大切です。自分が正当に評価されていれば、自分とマイナス社員のどちらを取るべきかは明白ですから。
自分がいなくても会社は回ることを頭に留める
ギリギリの人員で仕事を回していると、自分が抜けたら仕事がパンクするから頑張らないと…と、と思いがちです。私もそうでした。
ですが、現実は人が減ったぶん仕事量が減るだけですし、自分がいなくても会社は普通に回ります。
私は過去に人員ギリギリの部署で体調を崩して休職してしまったことがあるのですが、戻ったときには自分が元々担当していた仕事は丸ごとなくなっていました。
成功が絶対と言われていた仕事がなくなったのになんともない職場を見たときは虚しくなりましたが、同時に仕事へ入れ込みすぎる必要がないことを痛感しました。体力のある大企業のなせる技ですね。
転職活動をして選択肢を増やしておく
転職活動をして選択肢を増やしておくと、つらいことがあっても精神的に余裕が持てます。
いざという時に他の選択肢があるというのはそれだけで心強いんですよね。逆に選択肢がない状態が一番きつく、自分には今の会社しかないと思えば思うほど苦しくなります。
大事なのは気持ちに余裕があるときに転職活動をしておくことです。
つらい状況で他社の求人を見ると、隣の芝が青くなりすぎて条件の悪い転職をしてしまうリスクがあるからですね。
転職活動で自分の市場価値を知ることは自信につながりますし、人員整理の気配がする異動に対する防衛策にもなります。転職活動自体はノーリスクでできるため、余裕のあるうちに動いて選択肢を増やしておきたいですね。
デメリットを差し引いても大企業はオススメできる
以上、大企業についていけない8つの瞬間と4つの対策を紹介しました。
ついていけないような大企業のデメリットを書きましたが、その多くは会社の仕組みを活用すれば解消できます。
そんな都合のいい会社なんてあるわけない…と思った方にぜひオススメしたいのが化学メーカーです。
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給料が高くて働きやすい、いわゆるホワイト企業が多い化学メーカーについて詳しくまとめています。ぜひご覧ください。